Amosapientiam

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2020年(とその前3年間)の振り返り

今まで振り返りブログをつけていなかったのですが、今年から付け始めようと思います。 今まで書いていなかった分、今までの4年くらいをまとめて振り返ってしまいたいと思います。 ちょうど4年ほどまえに人生の大きな方針転換をして現在の自分があると思うので、そこから始めるとキリが良いと思うからです。

生活・態度

2017~2018

対人関係・コミュニケーション・アウトプット

この頃から交流関係を広く保つこと、自分をなるべくオープンにしていくこと、コミュニティに自分をtuneすることを意識し始めました。 型理論や言語処理系周りの勉強会に顔を出すようになったのは多分この辺りからです。学術的なブログ記事を書き始めるようになったのも多分ここら辺から。Wikipediaの翻訳を始めたのもそう。アウトプットを増やしていきます。

大学〜院での訓練のおかげで資料を正確に読み解く力が上がり、趣味でやっていたC#の新規実装を追うタスクや、言語学周りの理解度も大幅に向上しました。 研究室では「よいプレゼンテーションの仕方」みたいなのをみっちり指導していただけたのですが、それにより文章アウトプットの精度が上がり、正確で、なおかつ必要に応じてバズる(=みんなに読みたいと思ってもらえて、他の人にオススメしたいと思ってもらえる)記事が書けるようになってきました。 勉強会で発表ができるようになったのも、この頃に発表の型みたいなのを理由付きで教え込んでいただけたからだと思います。(それを全部消化できているとは全く思いませんが、1割でも消化できていたらとても自分のためになっている気がします。)

ゆーちき2.0の礎はここら辺にあるように思われます。

広いコミュニティへ参加するようになったことや、情報の正しい「伝え方」みたいなものをみっちり教え込まれたおかげで、人生の目指す方向性も大きく変わってきました。 もともと社交的な方だったとは思っていますが、意識して社交性自体を重視するようになったのはこの頃かもしれません。

2019~2020

対人関係

以前は鋭く他者と議論し、真理を追求した先に見えてくる地平を追い求めることで理想の社会を建設できると考えていたのですが、今は違います。 「相手に情報や意見をぶつけるのは、相手の行動や思想を変容させることで相手と世界、自分の幸福度を高めるためである」というのを強く意識するようになりました。 「正論を一方的にぶつけて相手がそれを納得できなかったら、相手の手落ちでこっちに否はないだろう」みたいな態度は、上記の目的に合致していないことに(この歳でようやく)気づきました。 柔らかく、相手がなるべく受け入れやすい伝え方をする。どう伝えても相手は受け入れられなくてかえって意固地になってしまうだろうと思ったら、正しい意見だと思っていても言わない。そういうやり方が本当の意味で合目的的、合理的なのであって、幸福を達成できるやり方なのだろうと考え方が変わりました。

メンタルの安定

割と感情の浮き沈みが激しい方だったのですが、「良いパフォーマンスを出すためにメンタルチューニングをする」みたいなドライな割り切りが自分の中でできるようになり、だいぶ気持ちが楽になりました。 「精神が不穏だったら多めに寝て多めに食べてカラオケにいって人と遊ぶ」みたいな細かいreconcilation loopを回せるようになり、大崩れすることがなくなりました。

外見に気を使うようになる

2017年頃から続いていた「見せ方」「伝え方」「自己主張の仕方」の改善ですが、この頃に自分自身の外見についてひどく無頓着だったなあと気づきます。 「自分をどういう風に見せたいか」を意識していたのですが、その自己表現の手段として「自分の外見」を使ってこなかったのです。(これは僕の持論ですが、自己表現の手段として自分の外見を使うか使わないかは完全に個人の自由であると思っています。もちろん、現実問題として外見をある程度コントロールした方が周りからの覚えがいいとかいう話はあるかもしれませんが。)

自分の外見をコントロールする方法として

  • きちんと服を選ぶ
  • ちゃんとした美容院に通う
  • ダイエットする
  • 顔のスキンケアをする

などに気をつけるようになりました。

「きちんと服を選ぶ」については何から手をつけていいかわからない人が多いと思うのですが、僕は以下の要領で改善を進めました。

  • 服を着るならこんな風にという教育漫画を買い、服装についての一般的な知識を仕入れる (そこから!?)
  • 複数のファッション誌を読み比べて、自分の好きなファッション系統がどんななのかを自覚する。
    • 私は men's FUDGE という雑誌が自分の好みにあっていたようで、これを定期的に買うことに決めました。
    • ファッション誌は私にとってはファッション指南書ではなく、心ときめく服装がいっぱい乗ってる資料集みたいな感じに使っています。「自分はこれを見るとテンションが上がるんだなあ」というのを探し、自分の好みをはっきりさせていくのに使っています。その中で、「こういうアイテムがいいなあ」っていうのがあれば、それと同系統のアイテムを買ったりしています。
  • wear というアプリをインストール
    • いろんな人が自分の服装をアップしているアプリです。「こういう着こなしがあるのか!」とか、「こういう服装はちょっと自分の好みではないなあ」とか、服を見て好きか好きじゃないか判断する経験を作るのに良いなあと思っています。
    • 「これ買いたいんだけどこれと合うかな?」とかを調べるときに、購入する前に着合わせを検索してみて好き嫌いを判断するのにも使えます。

個人的にはファッションに関するインプットとアウトプットを増やして「自分をこう見せたい」「こう見せるにはこうすればいい」という理解が固まったおかげで、そのテーマに沿って洋服選びができるようになったのが一番大きな収穫かなあと思っています。

一人暮らし・自炊を始める

生活をブラックボックスにしておいてはいけないと思い、一人暮らしを始めました。 始める前はうまく回せるか不安でしたが、始めてしまえば案外どうにかなるものですね。

料理に関しては

  • スケールしやすく
  • 手間をかけすぎず
  • 自分が美味しいと思う

の3点を重視して作っています。凝りすぎると失格で、手を抜きすぎると失格で、要はバランスです。 人によっては「凝れば凝るほど、完璧に近づければ近づければよい」という自炊料理観を持っている方もいらっしゃると思うのですが、私は違います。 小さい頃から見てきた祖母や母の「働きながら六人家族の料理を毎食作る」という姿に強烈な憧れを持っており、それが僕の理想です。そのためには凝りすぎたり、肉体的・心理的リソースを割きすぎてはいけないのです。(むずかしい...)

部屋ではお香を焚いたりお花を飾ったり紅茶を入れたりして、小さく品の良い暮らしを志向しています。

学問・技術

言語学

信頼できる出典に当たる重要性を(やっと)真の意味で理解した結果、ネット上で読める論文の断片やまとめ記事などに頼らずに紙の出版物を読み込むようになりました。 これによって新たに得た知識が大幅に増えたのはもちろん、既存の知識にも正確な裏付けがつき、どう確かさが保証されているのかなどの知識が身につきました。 下記のCSとの絡みで、幅広い興味の中でも形式言語理論への興味が強くなっていきました。

自分の興味が音声学・形式言語理論・歴史言語学・方言記述の4つに定まりました。

英語の発音について概説する - Amosapientiam を書いて、そこそこバズったのも、理解の精度が上がったからですね。

Computer Science / Information Technology

型理論・論理学・基礎論・依存型・形式言語理論まわり

F*(F Star)の複雑な型システムの何が嬉しいのか? - Amosapientiam という記事を書いて、界隈でプチバズったりしていました。

ここら辺は大学や研究室での指導がなかったら全く興味を持てていなかったと思います。分野との出会いに感謝です。 基礎論周りは「その上で色々作業ができる枠組みをきっちり作る」作業としてすごく惹かれました。物事の根源を探求したいみたいな興味とも合致したのでしょう。 型理論とか依存型周りの「人間のやっている思考を都合よくモデル化し、自動化し、工数を減らしてかつミスを排除する」みたいなところにもロマンを感じました。

Cloud Native

ここら辺も仕事で携わらなければ全く興味を持てていなかったと思います。分野との出会いに感謝です。 CI/CDとか、metrics周りとか、毛色は全く違えどこちらも上記と同じで「その上で色々作業ができる枠組みをきっちり作る」「人間のやっている作業を都合よくモデル化し、自動化し、工数を減らしてかつミスを排除する」に当てはまる話なんですよね。最初のうちはあまりピンときていませんでしたが、この二つの共通点に気づいた時は声が出てしまいました。 というか僕ですら見抜いていなかった僕の興味の根本を見抜いて、型理論をやっていた僕をCloud Nativeにぶちこんだ会社の偉い人たち頭よすぎる....

Docker, Go, Kubernetes, Terraform, Drone, Jenkins, Ansible, VM, etc. ここら辺はCloud Nativeな仕事に携われたおかげで理解が大きく向上しました。

2021年の抱負

やりたいことはいっぱいあります。残る一面は仕事の面なので、仕事にまつわるスキルを中心に伸ばしていきたいと思います。

コミュニケーション系

  • 遅延が見込まれるときに早めにアラートを上げる
  • 情報が足りないときに一人で悩まずにさっさと人を集めてヒアリングを行う
  • 手順予定書を負荷無くにまとめきり、実行中もログを残しまくる
  • 自分に情報を属人化させない

などです。これらは今まで改善してきて手応えがあり、これからも改善を続けたいと思っている分野です。

IT系

  • envoy, firebase, typescript, React など
  • managed k8sについての知識
  • k8sに対するさらなる深い理解
  • CI/CDを趣味で組んでみる経験

語学

  • 英語にもっと慣れる

「読めるけれど日本語文章の方が楽」というのが今の僕の英語レベルです。日本語と英語が同じくらいの負荷で読めるようになりたい。 リスニングや会話についてはてんで自信がありません。ここら辺も伸ばしていきたいですね。

一人旅行の経験

一人旅をした経験に乏しいんですよね...もっと経験を積んで、負荷無く旅行が組めるようになりたい。 海外旅行にも行ってみたいですね。 情勢によっては旅行周りは来年に持ち越しかもしれません。

総括

ハードスキル・ソフトスキル両面で、大きく成長した4年間出会ったと思います。 とりあえず私生活と対人関係改善は2020年まででだいぶやり切れた気がしています。 2021年もこの調子で成長したい。もっと素敵な自分になりたい。 今年も頑張りますので、みなさま暖かく見守っていただけると幸いです。