概要
の記事の続きである。 前回までで文法学習を終えたので、読解をしてみる。
読解
MIT「文をいくつか貼っていくので訳してください。」
一文目
「amáma síbha, bhámaum ghau ámaḍi ghi dákínahoná hem.」
バート語辞書 と バート語語形変化チートシート を参考に読解する。
辞書引き
amáma
連体詞で「大きい」みたいな意味らしいsíbha
.「patria」みたいなものの主格bhámaum
中国語の「咱们(聞き手を含む「私たち」)」の属格かghau
刀の主格ámaḍi
you sg. の後置詞格 (ということは次に後置詞がくるはず)ghi
「~へ、~に」dákínahoná hem
動詞dákínúḷ (give)
の受動過去分詞形にコピュラhem
がついたもの。dákínúḷ
は多分動作動詞なので、 過去分詞にhem
がついたものは完了表現。
解答
ゆーちき「「偉大なる祖国よ、我々の刀があなたに授ける」... あれ、目的格が足りない」
MIT「受動ですよ!」
ゆーちき「そっか!「偉大なる祖国よ、我々の刀があなたに授けられた」だ!」
MIT「その通りです」
二文目
MIT 「次は詩です。」
「kaikaziná bhán ápaom ṣot nautu ja kom híjadhel kádakátá sáḍi ghi dákínabohadína.」
急に長くなった。
辞書引き
kaikaziná
- 辞書に載っていない... zは名詞化接辞だったはずなので、
kaikúḷ
で辞書を引く。あった。「打ち勝つ」みたいな意味か。動詞kaikúḷ
のz
による名詞化の複数後置詞格
- 辞書に載っていない... zは名詞化接辞だったはずなので、
bhán
「~を通って、~とともに」ápaom
一人称単数属格ṣot
多くのnautu
「単語」 主格....?ja
~と~kom
このhíjadhel
心の対格kádakátá
動詞kádúḷ
光る、目立つの3人称無性過去sáḍi
女性の前置詞格ghi
「へ」dákínabohadína
動詞dákínúḷ (give)
に意志形を派生するboh
がついた一人称過去
ゆーちき「nautu
の格が浮いているな...?」
MIT 「jaで後ろの名詞とくっついているのでnautu
は主格じゃなくて無格です」
ゆーちき「なるほど~」
解答
「困難に打ち勝つ経験を通じて、(私は)私の多くの言葉とこの心を輝かしい女性に与えるつもりだ。」か?
MIT「kaikúḷ には「困難を克服しようと 努める 」みたいな用法があること、名詞化第一は思考やそれに伴う行動を表す動詞につきがちなことから、kaikaz は結果としての「克服」よりはその過程である「努力」に焦点をあてて解釈するのがよいと考えています。努力する対象が何かという話ですが、私としては「心や言葉を人に与えられる形にすることに伴う困難」と解釈するのが綺麗かなあと思っています(kádakátá sá の性質より、与える方法が kádakátá sá の祭壇に供えるとかしかないし)。」
三文目
「cákíkakátá, rúṣán ákíjam. rízán ká hem, ákíjam. raukidhel seházíḍi cájau nám. ṣúsa nonai ṣíyá ám.」
MIT「歌の私訳です」
辞書引き
cákíkakátá
動詞cákíkúḷ (訪れる)
の3人称無性過去rúṣán
名詞rúṣ (下)
の属格。ここでは「新しい」の意味ákíjam
東、太陽、日 単数主格rízán
明るい見通し 単数属格ká
多義だ...k (~こと)
の複数主格とか、三人称女性単数代名詞とかhem
コピュラraukidhel
胸 単数対格seházíḍi
動詞seházúḷ (喜んでいる)
の名詞化 単数後置詞格cájau
ともにnám
動詞námúḷ (開く)
の命令形ṣúsa
空(そら)の単数主格nonai
劣悪 単数具格ṣíyá
動詞ṣíyáúḷ (対格を具格とみなす)
の命令形ám
否定
MIT「そこのkáは、kであるべきところを単独で立たせるためにkáの形になっているものです」
解答
「来た、新しい日が。希望のそれだ、日は。胸を喜びとともに開け。空をつまらなく思うなかれ。」
なんだか集団で体が動かしたくなってくる歌詞ですね。
感想
辞書さえあればそれなりに読めるようになってきてうれしい。 それにしても、第三者がそれなりに読めるようになる程度しっかり文法書が書いてあるのはすごい...