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企画展『橋口五葉のデザイン世界』に行った

橋口五葉は明治大正期の装幀家だ。夏目漱石の『吾輩は猫である』を初め、多くの文学作品の装幀や、装幀以外の多岐にわたる芸術活動で知られる。 その橋口五葉の作品の巡回展へ行った。

企画展「橋口五葉のデザイン世界」東京・府中市美術館で、夏目漱石らの装幀約50点や新版画が一堂に - ファッションプレス

装幀に関しては詳しくなかったが、企画展は予備知識を要求しないで見られる作りになっていた。

橋口五葉は様々な要素を調和する人なのだと思った。 インダストリアル、アーティスティック、コマース。 日本画と西洋画。 高尚とおかしみ、雅俗、東西の古典と当世画風・アヴァンギャルド。 様々な抽斗から道具を取り出してはためつすがめつ、出来上がった作品は目を引くのだが、とっつきにくくはない。 幅広く学んで手を動かしたからこそ出せるポップな味があるんだろう。 自分に芸術・ポスターデザイン・レタリングの心得があったらこの企画展をもっと楽しめたろうが、ズブの素人の自分にも面白かった。 そもそも、単純に綺麗で素敵な物を見ること自体が楽しい。